/瀬戸内とタオルと塩業と。〜プラザ大分視察研修旅行記〜

瀬戸内とタオルと塩業と。〜プラザ大分視察研修旅行記〜

11月9~10日、プラザ大分の視察研修旅行でした!

今回の行き先は、愛媛県今治市。事務局をしていただいている産業創造機構さんの力もお借りし、今年も学びの多い内容となりました。だがしかし、貸切バスに揺られ船に揺られ、片道はゆうに6時間。。日程は結構ハードでした。。

一日目、まず、訪れたのは、日本で最大のタオル工場を持つという株式会社藤高さんです。

大きな織り機が整然と並びガシンガシンと規則正しい音が響く工場。タオルができるまでの各工程を、説明を受けながら見学させていただきました。藤高さんは日本で一番多くの織り機をお持ちだそうで、これを活かして少量多品種生産を行なっているとのことです。大変そうな生産管理の手法についても少し説明いただきました。5Sが徹底された工場の見本のようなところです。


様々なパターンのタオルが織られている様子をまじまじと見る一同。


大きな機械は多くの糸を巻くために。

 

工場見学後は、藤高専務より、今治タオルの歴史や、バブル後の低迷、そして約10年前の復活劇についてお話しいただきました。いまでこそ”今治タオル”は多くの人が知るところですが、そこにたどり着くまでの苦労をお聞きしました。今治タオルは認知が浸透した今が次へ進む正念場だそうです。順調な今こそ慢心せず次の飛躍に向かっているところだという熱い話もありました。

実はプラザ大分は10年前にもこちらを訪れ見学させていただいております。その時は今治タオルの復活劇の直前。今回もまた新しいステップへの移行期ということで、プラザ大分会員も大きな刺激をいただきました。また10年後によろしくお願いします!


最後に記念撮影。本当にありがとうございました!

 

藤高さんでの視察に惹きつけられ、時間が押してしまい。。次の目的地の今治城へ到着したのは日も暮れはじめたころ、閉館20分前。

今治城は築城の名人藤堂高虎が手掛け、海に面し堀を海水で満たすユニークなお城で、お城好きに人気の高いスポットだそうです。散策する会員、城を眺める会員、残り15分で天守まで登る会員、と短いながら思い思いに今治城を満喫しました。

 

夜は恒例の懇親会を開催。今年度は新規会員も多く、お互いを知るよいコミュニケーションの場になったように思います。出てきた今治の海幸山幸も大変美味しかったです。

 

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二日目の最初の訪問地は、「伯方の塩」を作っている伯方塩業株式会社。塩ができるまでを追う工場見学をさせていただきました。朝ドラ「まんぷく」でも塩を作っている最中のタイムリーな?訪問で、普段何気なく使っている塩について多くを知ることができました。伯方の塩、実はオーストラリアとメキシコから岩塩を輸入し、にがりを加えるために日本の海水に溶かして、乾燥させて出荷する、という工程です。日本の法律的に朝ドラの萬平さんのような海水から得る塩づくりはいまは基本的にはできないみたいです。が、昔ながらの製法にこだわる伯方塩業さんは、それを見事復活させ、おいしい塩を食卓に届けてくれています。昔ながらの製法で作った塩「されど塩」は比べてみると濃く複雑な味がしました。


説明を熱心に見入る一行。


復活させた海水から塩を作る流下式枝条架併用塩田(りゅうかしきしじょうかへいようえんでん)

 


大変勉強になりました!

 

この後は村上水軍博物館と来島海峡急流観潮船(うずしお体験)へ。今治は海と山が入り混じり、変化の激しい潮の流れに囲まれた地域。この地を支配した村上水軍の技量や逞しさの一端を垣間見たような気がしました。


激しい潮の流れ。金払ってでも村上さんに案内をお願いしたい気持ちがわかる。

 

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恥ずかしながら筆者は今治といったらタオルくらしかイメージなかったのですが、今回の視察研修を通じて、ものづくりの勉強ももちろんですが、そのタオルの歴史、塩業の歴史、地理的な特徴、そしてそこで生きてきた人々の歴史を知ることができ、今治という地について視察前よりもいろんなことを知ることができました。

個人では訪問できない企業さんを見学できたり、思わぬ発見があったりするがプラザ大分の視察研修の魅力です。ここにいたるまでは視察研修企画グループの尽力と、産業創造機構さんの介添え、そして視察を受け入れていただいた藤高さんと伯方塩業さんのご厚意がありました。改めてお礼を申し上げます。充実した二日間、ありがとうございました!