/[リレーエッセイ]商社の仕事とは(渡邊 明)

[リレーエッセイ]商社の仕事とは(渡邊 明)

弊社は機械工具商社として2004年に社長が1人で起業し15年目を迎えています。
31年間の経験の中でつくりあげてきたヒューマンネットワークを基に独自の企業スタイルを構築してきました。
弊社の社名の由来は中国の『易経』に「天行は健なり。君子もって自強して息まず」とあります。たえまない創造や発展、変化をつづける大自然。それを守り、はぐくんできた大地。
そんな大いなる力を秘めた可能性を社名にいただきました。
さまざまなものづくりを支える強固な礎となれれば、これ以上の幸せはありません。

モノを仕入れて売る、川上から川下まで商品の流れのすべての局面に関わるのが、商社です。
商社の本来の仕事は、卸売業、取次業でした。今でも、商社を業態別に分類すると卸売業の中に区分されます。
商社は「商いをする会社」です。商いと言っても色々あると、いわれると思いますが、その色々すべてを行うのが商社です。
商社の仕事は、2輪という言い方をされることがあります。メインの仕事が、トレードと事業投資になっているからです。トレードは、ものを右から左に流す仕事です。事業投資は、トレードビジネスで蓄えた経験値を活かして、国内外の企業に対して出資を行い、人を送り込んで経営にも加わり企業の成長に伴う企業価値の増大や配当金などを通して収益を上げるというものです。

また、商社においても「総合商社」と「専門商社」があります。この違いは扱い品目の違いです。扱い品目が特定の専門分野に偏っているのが専門商社、扱い品目に制限がなくどのような物でも扱うのが総合商社です。
総合商社は、多種多様な商材を扱います。近年は事業投資の割合が高まっています。発電などのエネルギー関連や社会インフラなどの大型プロジェクトも行われています。トレード業務も行っていますが、子会社に移管している会社も多くなっています。そのため総合商社の傘下にある専門商社というのも数多くあります。
専門商社は、特定分野の商材に特化していて、専門知識やマーケティング力、ネットワーク、
個々の顧客に近いところからの対応力などを活用して取引を行います。基本的にはトレードがメイン業務で収益の柱はトレードから得られる売買マージンです。また、特定分野が複数ある複合型専門商社と呼ばれるタイプも存在します。

総合商社と専門商社の強みと弱みをそれぞれ考えてみましょう。
【総合商社の強み】
1. インフラや資源などの大規模なビジネスが可能な圧倒的な力を持っている。
2. 幅広いポートフォリオを持ち、食品から資源まで制約なく、自由にビジネスができる。
【総合商社の弱み】
1. 大型案件が通常業務になりこまごましたニッチ商品が扱えない。
2. 先読みが外れると損失も大きい。
【専門商社の強み】
1. 専門分野での人脈の豊富さ。
2. 業界の過去も現在もよく知っているので、動向もつかみやすくリスクヘッジにも強い。
3. 顧客との関係が近く密になり、細やかな顧客のニーズにも対応ができる。
【専門商社の弱み】
専門性があるためその枠を超えた部分への進出が難しく、専門分野に大きなダメージがあった時には逃げ場がなく、影響をもろに受けてしまいます。

このように、社会が円滑に回る潤滑剤になりうるのが商社であります。
漠然とした商社についてすこしでも分かっていただければ幸いです。
最後に弊社はものづくり分野の機械工具専門商社になりますので、お困りの事、やってみたい事がありましたらお気軽に声を掛けてください。

  • ■会社名:株式会社 大地
  • ■氏 名:渡邊 明
  • ■プラザ大分会員歴:1年目
  • ■入会のきっかけ:当会OBの弊社社長からの勧め
  • ■プラザ大分に入会してよかったこと:
  •  様々な業種と年代の方々との交流ができるところ
  • ■次回執筆者の指名:入会1年目の会員が続いているので、そろそろ先輩会員にお願いします。帝国カーボン㈱の畔津聖さん宜しくお願いします。