/「リレーエッセー」 「令和株式会社」で商標登録?(松本秀治)

「リレーエッセー」 「令和株式会社」で商標登録?(松本秀治)

「令和」元年の最初の記念すべきエッセイを担当する、松本知財総合特許事務所の弁理士の松本秀治です。

ところで、皆さんは「弁理士」をご存じでしょうか?

8つある士業(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士、海事代理士)の中でも世間の認知度はかなり低く、一般的には、町の「なんでも屋」である「便利屋」さんに関する資格ですね、と思われる方も多いようです。

「弁理士」は、あくまでも「知財」に関する「なんでも屋」で、知的財産権の専門家としての国家資格であり、短答式筆記試験、論文式筆記試験、口述試験に合格し(平成30年度合格率7.2%)、実務修習を終了することが、資格取得のための必須条件となります。

我々の業界でも、「元号」は、元々知財ネタとして話題になりやすく、例えば、「平成ノブシコブシ改名か?」等がネタとしてネットを騒がしています。
原則として、社名・学校名に元号を使用することは可能です。しかし、商標登録することができるか否かについては全く別の問題です。

そもそも「元号」を商標登録することは認められておらず、「令和株式会社」との社名は、商号の登記ができたとしても、商標登録することはできません。
知財のデータベースである「J-PlatPat」で「?令和?」として、令和を含む商標の出願状況を検索すると、2019年5月29日の時点で60件がヒットします。「富士令和菌」、「令和会計社」、「令和仕込み」、「令和春日野住宅展示場」、「東京国際令和学院」、「令和特許総合事務所」、「令和継承牛」等が出願されています。
元号を含む商標は、「令和」以外の部分に識別力があるか否か、「令和」部分を切り離さず一連として認識できるか否か、公益的に妥当か否か等の数々の要素で判断されると思われるので、多分、秋位になる審査結果を楽しみにしたいと思います。

皆様も、話のネタに「令和」がらみの商品やサービスを企画し、商標出願するのも良いかもしれません。
なお、商標の出願書類の作成や手続きについては、私が申し上げるのも変な話ですが、ご自分でチャレンジすることが比較的容易です。
知財には、ブランドに関する商標権、発明に関する特許権、デザインに関する意匠権、著作物に関する著作権等の他に、顧客名簿(顧客データ)、業務マニュアル等も含まれます。
最近は、金融機関も「知財」に注目していますので、皆様も是非、儲けるための「知財」についてご検討下さい。

・プラザ大分 会員歴 7年目

・入会のきっかけ、経緯
プラザ大分OBのユナイテッドシェアの酒井氏からプラザ大分の話を聞き、興味をもったのがきっかけです。

・プラザ大分に入会してよかったこと
血縁・友人・仕事関係で、全く縁もゆかりもない大分の地で、仕事関係とは異なる友人に近い人間関係を構築できたことです。また、月一回の例会企画や、視察研修、ゴルフコンペ等で、貴重な経験と体験ができることも魅力です。

・バトンを渡す相手(次回執筆者)
有限会社日東機械工業 代表取締役 三宮様、宜しくお願いします。