/[リレーエッセイ] 日東機械工業について(三宮徹一郎)

[リレーエッセイ] 日東機械工業について(三宮徹一郎)

祖父が起業した弊社ですが、来年で法人化60周年を迎えます。技師として戦争に行き、終戦後、主に農機具や機械等の修理を始め、のちに会社を設立したそうです。現在は自社で機械加工をほとんど行っていませんが、社名の“機械”はそれに由来しています。

業務内容です。お客様自体の業種が多岐に渡り、それぞれのお仕事を長くさせて頂く間に、良く言えば「幅広く」、悪く言えば「専門性が(少し)薄い」会社です。具体例を挙げますと、

・公園遊具、体育器具の修繕及び設置
・河川や海岸、水路等の小規模水門の製作、設置
・進出企業への製缶品製作(各用語の意味は、前々回の横山社長の名文をご参照ください)
・(精密ではない)板金品
・配管品
・汚水マンホール、処理場内の製作品や現地作業
・土木現場向け階段、鉄蓋の製作、設置 ・機械の改造や部品修理 等々、

「昭和のなんでも町工場」を続けております。薄板の溶接をした翌日、遊具の木材のかんな掛けやスコップで穴掘りなど普通です。

ちなみに私の最近の力作(実際の製作作業はしておりませんが)は、某圧延工場内に設置する機器を内蔵する、ステンレス製の箱の板金展開です。周囲の熱の影響を抑えるため、冷却用の水を外面に循環させる構造を持ちます。複雑な形状を持つ箱ですが、何も考えず全部の部品をバラバラにして、全て溶接で組み立てると、溶接の熱による、反り、歪み等が発生し、直角度や平面度も出なくなり、品物になりません。よって、出来るだけ“曲げ”を使って、溶接長を減らします。1メートル溶接するのと、同じ長さを曲げるのとでは、所用時間も美しさも精度も比較になりません。但し、どこを曲げてどこを溶接で行く、という判断は(今は良い板金ソフトがしてくれるのかも知れませんが)、「昭和力」で行く弊社は、経験によるしかありません。よく頭の体操クイズで出てきます、“サイコロの展開図”のとっても難しいもの、といった感じですね。

今回(も)納期が無く、一日も早く製作を始めるため、ある日の昼から翌朝までかけて、部品形状を計算しパソコン製図しました。どこで分割するかとか、曲げ計算、溶接のし易さ等を考え考えしながら、一気にやり上げました。明け方、間違いがないかチェックしようとしたのですが、ノリと勢いで計算、作図したので、なぜこの寸法が出たのか分からないところだらけ。徹夜あるある、ですかね。まあ実際に製作してみると、間違いは数か所だけで、ひと安心でした(^.^;)

  • ■会社名:㈲日東機械工業
  • ■氏 名:三宮徹一郎
  • ■プラザ大分会員歴:20年目
  • ■入会のきっかけ:プラザには2000年に入会し、今年で20年目となりました。大分市工業連合会青年部会の先輩の、㈲金池木工製作所の橋本社長がプラザの代表幹事の時にお誘いを頂き、(2年目に)入会しました。
  • ■プラザ大分に入会してよかったこと:
  • 「素敵な人生の師匠」、「この人と生涯お酒を飲みたい」と思う多くの方々に出会え、沢山のことを教えて頂きました。同時に、自分の至らなさ未熟さを、今も感じます。そして、会に積極的に関わることで、人生の幅は今も大きくなっています。
  • ■次回執筆者の指名私の“お師匠さま”のお一人、中元さんにお願いできましたら、と思います。