弊社は「大分日本無線サービス」という企業です。主たる業務は、社名の通り「無線」という業務に附帯し、陸上、海上それぞれの業界に従事しています。例えば、防災無線、雨量計関係(気象庁に関係)、船舶に於ける航海計器などです。
弊社は、昭和 52 年 3 月に先代社長である父が、神戸市に創業しました。創業のきっかけですが、父は元々外航船の通信長をしていました。当時、無線通信技術は今ほど発達しておらず、一度遭難すると絶対に助からないと言われておりました。
万が一、何かあると不味いと思い、船乗りである事を辞め、同じ業界の人の苦労を少しでも和らげたい気持ちから会社を創業したようです。紆余曲折を経て、現在日出町に事務所を構えております。
さて、今回社名にある「無線」の事を少しお話ししたいと思います。
「無線」という言葉を聞くと何を想像しますか?ドローン、無線 LAN などが思いつくでしょう。
「無線」通信技術が利用できるまで、遠方との連絡手段は伝書鳩や飛脚に頼んでいました。ヨーロッパの方では、望遠鏡を用い腕木の形で伝言を伝える腕木信号も使用していました。
そもそも「無線」(無線通信)とは、有線ケーブルなどの線を使用せずに「無線媒体」を利用して電気信号を伝達する事を言います。この電気信号はアナログ、デジタル等の形式がありますが、目的や種類によって用途は様々に分かれます。「無線媒体」は、一般的に「赤外線、可視光、音波、超音波、X 線等」がありますが、このうち音波、超音波を除いたものを「電波」(電磁波)と呼びます。(「電波」については下記に記載します)
因みに音波は空気中や水中は伝搬しますが、宇宙などの真空では伝搬しません。一方、電波は真空を伝搬しますが、水中ではよほど低い周波数でない限り、伝搬出来ません。(水そのものの性質が電波を通しにくい為)無線で出来る事は、テレビ放送、ラジオ放送、電話(携帯電話も含む)、気象予報、地震予報、GPS 位置情報、衛星放送、電子レンジなどあげればきりがありません。私たちの生活に無線通信技術は欠かせないものとなっています。
無線のメリット
①ケーブルが不要
②場所の制約をほぼ受けない
③誰もが受信可能
無線のデメリット
①セキュリティが脆弱である(パスワード等によりセキュリティ強化可能)
②雑音に影響されやすい
③速度が出にくい
さて、「電波」についてですが、漢字で示す通り「電気の波」の事です。電気はご存じのとおり、「+」と「-」の性質の違う二つの極性があります。
例えば乾電池は「+」と「―」が常に一定であり、二つの極性は入れ換わりません(直流)。対して家庭用コンセント等から供給される電気は時間と共に「+」「-」が入れ替わりながら流れています(交流)。
「+」と「-」が入れ替わる度を 1 秒間に何千、何万回と超高にした電気を電線に流すと、その周囲に電界(電気が働く空間)と磁界(磁石の力がかかる空間)が代わる代わる発生し、空間に広がっていきます。
これが「電波」というものです。
簡単に言えば、電界と磁界が空間を振動しながら、光と同じ度で伝わる電気エネルギーの波です。この波の事を周波数といいます。(1 秒間に繰り返される波の数をヘルツ(Hz)で現わします)周波数帯域によって使用されるものは様々なものがあります。
身近な電波と周波数(一部抜粋)
今後、無線技術は益々技術革新が進んでいくでしょう。自動運転は自動車だけでなく、船舶でも今や開発に取り掛かっています。それ以外にも、人間の寿命が見えたりなど様々な面白い発想、便利になる方法がどんどん出てくるかもしれません。
■会社名:㈱大分日本無線サービス
■氏 名:村井 勝伯
■プラザ大分会員歴:4年目
■入会のきっかけ:以前本会に先代社長が加盟していました(諸事情により退会)。その後OBである西瀧様にお誘い頂きました。
■プラザ大分に入会してよかったこと:
様々な異業種交流会がありますが、本会は1業種1社という制約があります。
その為、お互いが本気で意見を出し合い、議論、相談等を繰り返す結果、相互理解並びに切磋琢磨しながら成長していく事が出来るのが本会の最大の魅力であると思います。
■次回執筆者の指名:協和包材㈱河野洋介様 宜しくお願い致します。