/「リレーエッセイ」「温故知新~受け継がれる看板魂~」(酒井崇徳)

「リレーエッセイ」「温故知新~受け継がれる看板魂~」(酒井崇徳)

皆様いつも大変お世話になっております、株式会社日本工事広告の酒井です。
株式会社the ground noiseの裏正亘代表よりご指名頂きました。ありがとうございます。

(株)日本工事広告は、屋内外広告物の企画デザインから印刷・製作・施工まで自社で一貫して行うサイン広告業者です。
様々な地域・業種業態のお客様に支えられ、1973年5月の創業から今年で47年を総勢16名で迎えられました事、心より感謝申し上げます。

さて、この時期のエッセイとしてコロナと看板をうまく結び付け、何とかインテリ感を出そうとしましたが、自粛看板とコロナビールくらいしか思いつきません。
1巡目となる今回は真っ当に業種のご紹介とさせて頂きます。

地域などによっては看板屋さんではなく、サイン屋さんとも呼ばれます。
“どんな事をしているの?”と聞かれた際には、“伝えたい事やしたい事をカタチにする事です”と私はお話しております。

近年では、屋号の表示や広告目的をはじめ、避難経路や注意喚起として、また、それらを木なのか金属なのか、もしくはデジタルで表示するのかなど、時代の変化に伴い看板の目的や種類も多種多様に移り変わっております。
※どんな種類の看板があるのか、気になる方はコチラ
※どんな製作や取り付け方をしているのか、気になる方はコチラ

そういった様々な趣向を凝らした表示方法やデザインが施される中、1つのツールとして「文字書き」があります。
現在ではフィルムやシートなど、メディア出力で製作されるサインが当たり前の中、塗料によるペイントサインの価値が見直され始めています。
ペンキを使った看板を手掛ける業者や職人は現在では非常に少なく、ある意味ではニッチともいえる仕事です。
職人として重要な塗装技術や文字書き技術だけではなく、ウレタンやアクリル系といった適材適所に塗料を選択できるか、下地をどう処理していくかなど、知識や経験も多く必要とされハードルの高い難しい分野ではあります。

一方、大分市の代表的なお祭りとして知られる「府内戦紙」の山車製作では、実は殆どが看板屋が製作したものなのです。

  

昨年度、なんと弊社は山車の作品賞を頂戴する事ができました。
担当した職人が培ってきた技術や知識、経験を信じて発注して頂きましたお客様です。
私が入社した当時から、この職人の製作する山車が好きという事で、毎年職人をご指名頂きながら携わらせて頂く団体様です。
きっと他の団体様も同様な関係性なのではないかと思います。
時代と逆行していると感じられる点もあるかもしれませんが、この関係性こそ私が理想とする仕事の形です。
府内戦紙は年に一度きり、携わらせてもらえる山車もいくつもありません。
私は経営者ではありませんが、これだけでは組織として継続する事も現状では不可能だと感じます。

フィルムやシートを“貼る”という技術を活かし、ウインドウフィルムやカーラッピング、クロスなどの化粧シート貼りという看板屋の新たなニーズにも繋がっています。
時代の変化とともに、最新機器の導入をはじめ、より良いサイン広告で常にお客様のニーズに応える為、業界皆で日々挑戦し続けております。

しかし、ペイントサイン同様にニッチではあるものの、こういった人手ではなく人財に魅力を持ってもらえるような遺すべきサイン、この価値をどう守り伝えていくのかが大事だと日々模索しております。

お堅い長文、お眼を通して頂き誠にありがとうございました。
次回は「屋外広告物の条例」について、もしくは「矢野さんの1週間に密着」でお送りしたいと思います。

◆会社名:株式会社日本工事広告
◆氏名:酒井崇徳
◆プラザ大分会員歴:5年目
◆入会のきっかけ、経緯:会社より
◆プラザ大分に入会して良かったこと:様々な立場や業種の方達の考え方や情報が学べる事
◆バトンを渡す相手:有限会社里美苑の佐々木美香さん、宜しくお願い致します!