/鉄の町 室蘭紀行 ~40周年視察研修旅行記~

鉄の町 室蘭紀行 ~40周年視察研修旅行記~

2023年11月1~3日、当会の視察研修旅行を実施しました。今回の行き先は室蘭です。

40周年記念行事の一環の記念旅行も兼ねて実施し、記念式典にてご講演いただいた大分県出身でいまは室蘭工業大学副学長でもあり日本鋳造学会会長でもあられる清水教授を訪ねての企画となりました。遠くの場所へと足を伸ばし、知らない土地で新たな物事に触れることは大変刺激と学びのあるものでした。あれから2カ月以上がたって筆を執る次第ですが…、思い出しながらその一端をここに報告いたします。

 

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<1日目>

朝、福岡空港を出発し、新千歳空港に到着したのはお昼過ぎ。それからバスに揺られて室蘭を目指します。

最初に訪れたのは東日本最大の吊り橋 白鳥(はくちょう)大橋です。ここでは橋の建設時の模様や、使用されている技術の展示がありました。また、室蘭には日本製鉄株式会社の北日本製鉄所 室蘭地区がありますが、製鉄の工程から、橋に使用されたケーブルができるまでがわかりやすく説明されていて、とても勉強になりました。

次に訪れたのは地球岬です。太平洋の水平線を臨むその景観を眺め、遠地にきたことを実感しました。ちなみに元々は断崖を意味するアイヌ語の”チキウ”岬だったのですが、転訛して一般的に地球岬と呼ばれるようになったそうです。

ここで嬉しい出来事が。参加会員の原田製油の原田社長のご友人で、室蘭で納豆を製造されている内藤食品工業さんに唐突ながら会社を見せていただけることになりました。内藤食品工業さんの商品「おらが街納豆」は全国納豆鑑評会で最優秀賞を何度も受賞されており、SEGAとのコラボで「龍が如く 7」にもアイテムとして登場しています。納豆づくりの現場を見学させていただき、お土産にと「おらが街納豆」もいただいてしまいました。大粒で粘り気があり、豆の味をとても感じるもので大変おいしかったです。

 

初日の本番は夜から。室蘭市の異業種交流会 産学交流プラザ「創造」様との交流会を開催しました。お互いの活動を紹介し合い、様々と意見交換をさせていただきました。室蘭は鉄の町とあり、多くの会員企業様が製鉄に関わる事業や、金属加工などの製造業で、大分と似た産業構造であったのが印象的でした。

 

<2日目>

産学交流プラザ「創造」会員の株式会社キメラ様の工場を見学させていただきました。キメラ様は精密金型加工の事業をされており、多くの方がもっているアレもコレもがこちらの製造する金型から生まれています。整理整頓の行き届いた工場で、徹底した管理がされていました。チャレンジ精神旺盛な企業文化だと感じました。

次に訪れたのは室蘭工業大学です。清水先生に室蘭の産業や研究内容についてご紹介いただき、学生ともコミュニケーションさせていただきました。清水先生の研究室は企業との共同研究も多数されています。工学系の学生にとって企業との接点があるというのは意義深いことだと思います。次世代を担う学生たちにエールをおくりたいと思います。

 

<3日目>

小樽運河を観光し、その後NHKの朝ドラ「マッサン」でモチーフとなったニッカウヰスキーのミュージアムを見学しました。創業者・竹鶴政孝が多大な情熱を傾けた様子が資料の端々から感じられました。それが企業文化となり世界的に評価の高いウヰスキーをいくつも生み出す希少な企業となったように思えます。近年ウイスキーが大きく値上がりしてきていますが、悲しいかなこれも世界的な評価が高いゆえですね。

 

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予定された内容はとても実りあるもので、参加した方々も得るものが大きかったのではないでしょうか。ちなみに、ここには記載していないことも様々あり、予定外の出来事がいくつも発生し、それもまた見聞を広め経験を深めるよい機会となりました。当会らしい視察研修旅行であったと思います。

企画いただいた交流グループの皆さん、内藤食品工業様、産学交流プラザ「創造」の会員の皆様、株式会社キメラの藤井社長はじめ社員の方々、そして清水先生と多くの方々のご協力をいただきよい内容となりました。この場を借りて改めて心より感謝を申し上げます。